まず決めるのは、転送先があるかどうかです
最初に見るのは、無くすページの内容を引き継ぐ新しいページがあるかどうかです。あればリダイレクト、なければ削除として扱います。この記事は、残すページの選別が終わった後の工程を扱います。
内容を引き継ぐページがあるかで分ける
判断は1ページずつ行います。基準は、旧ページを見に来た人が探していた内容が、新しいサイトのどこかに同じ内容として存在するかどうかです。
| 旧ページの状況 | 扱い |
|---|---|
| 内容を引き継いだ新ページがある | その新ページへリダイレクトします |
| 内容が新サイトに無い (サービス終了、古い告知等) | 削除として扱います |
| 内容は近いが同じではない (まとめ直した一覧等) | 近い内容の新ページへリダイレクトするか、削除にするかを個別に決めます |
迷うのは3行目です。判断に困ったら、旧ページのタイトルで検索して来た人が、転送先を見て目的を果たせるかを考えます。果たせないなら削除のほうが読者には親切です。
トップページへまとめて送らない理由
削除するページをまとめてトップページへリダイレクトする指示は、避けてください。
転送先に探していた内容が無いため、来た人はそこから自分で探し直すことになります。検索エンジン側でも、内容が対応していない転送は削除と同じ扱いになることがあります。削除と決めたページは、素直に削除として扱うほうが結果が読めます。返すコードについては次のセクションで扱います。
判断にかかる時間とつまずきやすい点
ページ数が100件程度であれば、棚卸しの一覧を見ながら半日で分けられます。1件あたり数十秒で判断できないページは、後でまとめて相談する印を付けて先へ進めてください。
つまずきやすいのは、ドメインやサブドメインが変わる場合の手続きです。Google 検索セントラルの「URLの変更を伴うサイト移転」のページは、Search Consoleでアドレス変更を送信する必要があるのは、ドメイン名またはサブドメインを変更する場合だとしています。同一ドメイン内でパスだけが変わる場合、wwwの有無が変わる場合、HTTPからHTTPSへ移行する場合には不要です (出典: Google 検索セントラル「URLの変更を伴うサイト移転」)。
リダイレクトする分については、保持する期間も先に決めておきます。同じページは「リダイレクトをできるだけ長く保持します」として、一般的には1年以上としており、ユーザの観点からは無期限の保持を検討するよう促しています。期間の扱いは後述します。
削除すると決めたページには404または410を返します
移転せずに削除したコンテンツで返すHTTPレスポンスコードは404または410です。これはGoogle 検索セントラルの「URLの変更を伴うサイト移転」に示されています (出典: Google 検索セントラル「URLの変更を伴うサイト移転」)。
404と410の違いをどう理解するか
どちらも「そのURLにページは無い」ことを伝えるコードです。違いは、無い理由の伝え方にあります。
| コード | 意味 | 発注側の読み替え |
|---|---|---|
| 404 | 見つからない | 無いが、理由は示していません |
| 410 | 消滅した | 意図して消したことを示します |
410は「意図して消した」という宣言です。404は「見つからない」だけなので、一時的な不具合と区別がつきません。
どちらを選ぶかの決め方
Google公式の記述ではどちらでもよい扱いですので、運用のしやすさで決めます。判断は次のように分けられます。
- ページ単位で意図して消すと決めたものは410にします
- どちらか迷うもの、まとめて処理したいものは404にします
- 一時的に非公開にするだけで、後で戻す予定があるものはどちらも使いません
3に注意してください。後で戻すページを404や410にすると、戻したときに再び認識されるまで待つことになります。一時的な非公開は、公開の予定と合わせて別に扱います。
所要時間の目安として、削除する分の振り分けは棚卸しの一覧があれば1時間程度で終わります。410に寄せるか404に寄せるかを先に決めておくと、1件ずつ悩まずに進みます。
ソフト404を作らない指示
技術的にハマりやすいのはここです。削除したページに「お探しのページは見つかりません」という案内を表示しながら、コードとして200 (正常) を返してしまう状態があります。これはソフト404と呼ばれ、見た目は削除されたように見えますが、検索エンジン側には存在するページとして伝わります。
制作会社への指示では、次の2点を分けて書いてください。
- 画面に何を表示するか (案内文、サイト内の主要ページへのリンク)
- どのコードを返すか (404または410)
表示と返すコードは別の話です。「エラーページを用意する」という指示だけでは、コードが200のまま作られることがあります。
なお、Googlebotが移転を認識するには、新旧両サイトのすべてのURLに少なくとも1回アクセスする必要があるとされています (出典: 同ドキュメント)。削除したページも、robots.txtでクロールを止めてしまうとコードを読み取ってもらえません。robots.txtの扱いは後述します。
リダイレクトする分の指示の出し方
リダイレクトする分は、旧URLと新URLを1対1で対応づけた一覧を作って渡します。保持する期間も併せて指示します。
旧URLと新URLの対応表の作り方
表は3列で足ります。
| 列 | 内容 |
|---|---|
| 旧URL | 変更前のURLをそのまま貼ります (パラメータ付きのものは別行にします) |
| 新URL | 転送先のURLです。空欄は削除の意味にせず、削除は別の列で明示します |
| 扱い | リダイレクト、404、410のいずれかを書きます |
1対1を崩さないことが要点です。1つの新URLに複数の旧URLを集めるのは構いませんが、1つの旧URLに複数の転送先を書くと決まりません。
作成にかかる時間は、100件程度であれば2時間から3時間です。つまずきやすいのは、パラメータ付きのURLとwwwの有無です。同じページでもURLの文字列が違えば別行として扱う必要があります。
リダイレクトを保持する期間の目安は1年以上
Google 検索セントラルの「URLの変更を伴うサイト移転」は、リダイレクトをできるだけ長く保持するとして、一般的には1年以上としています。さらに同ページは、ユーザの観点からは無期限の保持を検討するよう促しています (出典: Google 検索セントラル「URLの変更を伴うサイト移転」)。
指示書には「1年以上保持する」とだけ書くのではなく、誰がいつ外す判断をするのかも書いてください。書かないと、保守の契約が切れた時点で誰も見なくなります。
インデックス上の移行には時間がかかります。同ドキュメントでは、中規模のサイトで大半のページが移行するまでに数週間とされています。公開直後に結果を判断しないでください。
リダイレクトチェーンを作らない指示
旧URLから中間のURLを経て新URLへ届く状態を、リダイレクトチェーンと呼びます。過去のリニューアルで作ったリダイレクトが残っていると、今回の分が後ろに連なってチェーンになります。
Google側の基準では、リダイレクトチェーンは5個未満、理想的には3個以下とされています (出典: Google 検索セントラル)。
指示としては次の形にします。
- 旧URLから新URLへ、中間を挟まず1回で届くようにする
- 過去のリニューアルで残っているリダイレクトがあれば、今回の新URLへ直接向け直す
- 中間を挟む構成になる場合は、理由を添えて事前に知らせてもらう
2は発注側では気づけません。前回のリニューアルから時間が経っている場合は、既存のリダイレクト設定の一覧を出してもらうよう依頼してください。
指示書に書く項目
指示は口頭ではなく、URLごとに扱いと返すコードを書いた一覧として渡します。一覧があれば、公開後の確認もその順に行えます。
一覧に入れる列と書き方
前のセクションの3列に、確認用の列を足した形が実務では使いやすくなります。
| 列 | 書き方 |
|---|---|
| 旧URL | 変更前のURLをそのまま貼ります |
| 扱い | リダイレクト、404、410のいずれか |
| 新URL | リダイレクトの場合のみ記入します |
| 表示内容 | 404と410の場合に、画面に出す案内文の方針を書きます |
| 確認日 | 公開後に確かめた日を記入する空欄にしておきます |
扱いの列を文字で書くことが要点です。空欄や記号で表すと、受け取る側の解釈に委ねることになります。
サイトマップとrobots.txtの扱いを併記する
URLごとの指示だけでは足りません。次の2点を併記してください。
- サイトマップから削除したURLを外すこと
- robots.txtで削除したURLへのクロールを止めないこと
2は見落としやすい点です。削除したページをrobots.txtで止めると、404や410を読み取ってもらえなくなります。前のセクションで触れたとおり、コードを認識してもらうにはアクセスされる必要があります。
指示に入れ忘れやすいページ
一覧を作るとき、次のページが抜けやすくなります。
- サイト内検索の結果ページや、一覧の2ページ目以降
- PDFや画像などのファイルのURL
- 旧サイトで使っていたキャンペーン用のページ
- 問い合わせ完了ページなど、通常の導線からは辿れないページ
いずれも、サイトマップやアクセス解析の記録から拾えます。旧サイトのアクセス解析で、過去1年にアクセスのあったURLの一覧を出すと漏れが減ります。
ファイルのURLは特に注意が必要です。他社サイトや資料からリンクされていることがあり、消すと辿れなくなります。残す必要があるかを確かめてから扱いを決めてください。
公開後に確かめること
公開後は、指示したとおりのコードが返っているかを一覧の順に確かめます。反映には時間差があるため、確認の時期も決めておきます。
確認の手順と時期
確認は2回に分けます。
- 公開当日: 一覧の全URLについて、返るコードが指示と一致しているかを確かめます
- 公開から数週間後: 検索結果に残っている旧URLの状況を確かめます
1は当日に行います。コードの確認は、ブラウザの開発者ツールのネットワークの表示でも見られますし、件数が多ければ一覧のURLをまとめて確かめる方法を制作会社に用意してもらうこともできます。所要時間は100件程度で1時間ほどです。
つまずきやすいのは、ブラウザのキャッシュです。以前に見たページが表示されると、コードが変わっていないように見えます。確認は、キャッシュを無効にした状態か、別の環境から行ってください。
インデックスから消えるまでの時間差
削除したページが検索結果から消えるまでには時間がかかります。Google 検索セントラルの「URLの変更を伴うサイト移転」では、小規模から中規模のサイトで大半のページの移転が反映されるまでに数週間とされています (出典: Google 検索セントラル「URLの変更を伴うサイト移転」)。
Search Consoleのアドレス変更ツールを使った場合、転送の処理が続く期間は180日とされています (出典: Search Consoleヘルプ「アドレス変更ツール」)。ドメインを変える移転では、この期間を見込んでおきます。
公開翌日に旧URLが検索結果に残っていても、指示どおりのコードが返っていれば作業は終わっています。慌てて設定を変えないでください。
順位が下がったときの切り分け
公開後に順位が下がった場合、自社の作業が原因なのか、Google側の更新と重なったのかを分ける必要があります。
確かめる順序は次のとおりです。
- 一覧のコードが指示どおりか (前述の確認)
- リダイレクトチェーンが増えていないか。Google側の基準では5個未満、理想的には3個以下とされています
- 同じ時期にGoogle側の更新がなかったか
3については、Google検索ステータスダッシュボードのランキング更新履歴で日付を確かめられます。たとえば2026年のスパムアップデートは9月24日、8月18日 (展開に2日16時間)、6月24日 (同2日1時間) に開始され、コアアップデートは5月21日 (同11日21時間)、3月27日 (同12日4時間) に開始されています (出典: Google検索ステータスダッシュボード ランキング更新履歴)。
公開日がこれらの期間と重なっていれば、原因の切り分けには時間が必要です。なお、コアアップデート後にサイトを改善した場合、効果の確認までに数か月かかることがあるとされています (出典: Google 検索セントラル「Google検索のコアアップデート」)。切り分けの詳しい手順は別の記事で扱っています。