AI活用2026.10.04·8 min read·Nortiq Labs

AIチャットボットで問い合わせが減らない原因

問い合わせが減らないとき、最初に見るのはどこですか?

最初に見るのは回答ログです。利用がそもそも少ないのか、使われているが解決していないのかを分けます。この2つは原因も直し方も違います。

ログを見ずに設置場所を変えたり、回答を増やしたりすると、効いたかどうかが分かりません。

利用が少ない場合と解決しない場合の見分け方

判定は会話の開始件数から始めます。

ログの状態 想定される原因 直す対象
会話の開始が少ない 気づかれていない、選ばれていない 設置場所と表示の条件
開始は多いが途中で離脱 回答が質問に合っていない 回答範囲と文面
回答後に電話が来る 解決まで到達していない 回答の具体度と次の導線

3つが同時に起きている場合もあります。その場合は上から順に直します。設置の問題を残したまま回答を増やしても、見てもらえる数が増えません。

切り分けに必要な3つの数値

次の3つを同じ期間で取り出します。

  1. 会話の開始件数(目安15分)。つまずきやすい点は、表示回数と開始件数を混同することです。表示されただけの数では、選ばれたかが分かりません。
  2. 回答できなかった質問の件数と内容(目安30分)。つまずきやすい点は、件数だけを見て内容を読まないことです。直す優先順位は内容から決まります。
  3. 電話とメールの問い合わせ件数(目安30分)。つまずきやすい点は、導入後しか数えていないことです。導入前の件数がないと比較ができません。

実装の立場で付け加えると、管理画面の集計期間の初期値が短い製品があります。先月だけを見て判断すると、季節の影響を分離できません。期間を揃えて取り出してください。

各原因の直し方は、次の見出しから順に扱います。

そもそも使われていない原因は何ですか?

設置場所と起動の条件が合っていないことが多い原因です。問い合わせ先の電話番号と並んで置かれていない場合、読者はチャットボットを選びません。

導入の目的が効率化に置かれている点も関係します。総務省「令和7年版情報通信白書」では、生成AIの活用による自社への影響として日本で最も多く挙げられたのは「業務効率化や人員不足の解消につながる」で32.8%でした(出典: 総務省「令和7年版情報通信白書」第1部第1章第2節 図表Ⅰ-1-2-16、https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/pdf/n1120000.pdf)。効率化を期待して入れても、読者に選ばれなければ件数は動きません。

設置ページと表示のタイミング

見るのは、どのページに出ているかと、いつ出るかの2点です。

確認する箇所 よくある状態 直し方
設置ページ トップページだけに出ている 料金ページとよくある質問にも出す
表示の条件 読み込み直後に自動で開く 一定の滞在またはスクロール後に出す
閉じた後の挙動 一度閉じると再表示されない 小さいアイコンとして残す
スマートフォン 画面下部の他の要素と重なる 重なりを避けて配置する

実装の立場で注意が必要なのは、読み込み直後に自動で開く設定です。本文を読む前に閉じられると、そのまま電話に流れます。

電話とメールの導線との関係

電話番号のそばにチャットボットが無いと、使われません。次の順で直します。

  1. 問い合わせ導線の棚卸しをする(目安1時間)。つまずきやすい点は、ヘッダの電話番号を忘れることです。固定ヘッダの番号が最も押されます。
  2. 電話番号の近くに案内文を置く(目安30分)。つまずきやすい点は、「チャットで質問」だけの表記です。答えられる内容を1行添えると選ばれます。
  3. 営業時間外の表示を変える(目安1時間)。つまずきやすい点は、時間外も電話番号だけを出し続けることです。時間外はチャットボットを前に出します。

費用への懸念も、設置後の調整が止まる背景にあります。同白書の生成AI導入に際しての懸念事項では、「ランニングコストが掛かる」が24.9%、「初期コストが掛かる」が22.1%でした(出典: 総務省「令和7年版情報通信白書」第1部第1章第2節 図表Ⅰ-1-2-15、https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/pdf/n1120000.pdf)。導入時に運用の工数を見積もっていないと、設置したまま調整されない状態になります。

使われているのに解決しない原因は何ですか?

回答範囲が実際の問い合わせ内容と一致していないことが原因です。ログに出ている質問と、用意した回答のずれを見ます。

この状態は、導入時に回答範囲を決めきれていない場合に起こります。総務省「令和7年版情報通信白書」の生成AI導入に際しての懸念事項では、「効果的な活用方法がわからない」が30.1%で最も多い回答でした(出典: 総務省「令和7年版情報通信白書」第1部第1章第2節 図表Ⅰ-1-2-15、https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/pdf/n1120000.pdf)。使い方の設計が定まらないまま設置すると、回答範囲が実際の質問とずれます。

ログに出る質問と用意した回答のずれ

ずれは3つの型に分かれます。

ずれの型 ログに出る様子 直す内容
想定外の質問 回答できなかった質問に集まる 回答を新しく追加する
言い回しの違い 近い質問に別の回答が返る 表現の揺れを登録する
粒度が粗い 回答は返るが追加の質問が続く 条件別に回答を分ける

最も多いのは粒度の問題です。「料金はいくらですか」に対して「案件により変動します」と返すと、読者はそのまま電話をかけます。条件別の目安まで示すと、そこで止まります。

回答範囲外へ誘導する設計の有無

答えられない質問を放置すると、読者は離脱します。次の順で整えます。

  1. 回答できない質問の受け止め方を決める(目安30分)。つまずきやすい点は、「分かりません」で終える文面です。次に取る行動を必ず示します。
  2. フォームへの受け渡しを用意する(目安2時間)。つまずきやすい点は、入力済みの内容が引き継がれないことです。入力し直しが発生すると離脱します。
  3. 有人対応への切り替え条件を決める(目安1時間)。つまずきやすい点は、営業時間内でも切り替え先が無い状態です。

実装の立場では、回答の粒度を上げるほど更新の手間が増えます。件数の多い質問だけを細かくし、件数の少ない質問はフォームへ渡す設計が現実的です。改善の着手順は次の見出しで扱います。

改善は何から着手しますか?

件数の多い質問から順に回答を直します。少ない工数で解決率が動くためです。回答の総数を増やすことから始めると、手間が増えるだけで件数は変わりません。

件数順に直す手順

ログから上位の質問を取り出して進めます。

  1. 回答できなかった質問を件数順に並べる(目安30分)。つまずきやすい点は、言い回しの違う質問を別物として数えることです。同じ意図はまとめて数えます。
  2. 上位5件の回答を作る(目安3時間)。つまずきやすい点は、1件ずつ完璧にしようとすることです。まず全部に回答を置き、精度は次の周で上げます。
  3. 2週間後に同じ集計を取り直す(目安30分)。つまずきやすい点は、期間の長さを変えてしまうことです。前回と同じ日数で比較します。
  4. 上位が入れ替わっていれば次の5件に進む(目安3時間)。つまずきやすい点は、入れ替わっていないのに次へ進むことです。入れ替わらない場合は回答の粒度が足りていません。

当社のAIチャットボット導入では、業種別に応答を最適化し、24時間の一次対応を実現しています。業種によって質問の型が異なるため、上位の質問を押さえると残りの質問も近い型に収まります。この性質があるため、件数順の改善が効きやすくなります。

1回の改善でどこまで変えるか

同時に多くを変えると、何が効いたか分かりません。

1回で変える範囲 変えてよいもの 同時に変えないもの
回答の中身 上位5件までの文面 設置場所や表示条件
表現の揺れ 同じ意図の言い回しの登録 回答の分岐の構造
導線 回答後の次の行動の示し方 フォームの項目

設置場所と回答の両方を同時に変えると、会話の開始件数が増えた理由を切り分けられません。先に設置を直し、数値が落ち着いてから回答に入ります。

実装の立場で注意が必要なのは、表現の揺れの登録です。登録を増やすと、別の意図の質問にも同じ回答が返るようになります。追加した後は、既に正しく答えられていた質問が崩れていないかを確認してください。

運用を続ける体制はどう決めますか?

更新の担当者と頻度を決めて初めて改善が続きます。担当が決まっていない状態が、最も多い停滞の原因です。

背景には方針の未整備があります。総務省「令和7年版情報通信白書 (概要)」によると、生成AIを活用する方針を定めている企業の比率は2024年度調査で約50%、2023年度調査の約43%から増加しています。ただし大企業で約56%に対し、中小企業では約34%にとどまります(出典: 総務省「令和7年版情報通信白書 (概要)」、2024年度調査、https://www.soumu.go.jp/main_content/001019264.pdf)。

中小企業では3社に2社が方針を定めていない計算です。誰がいつ回答を直すのかが決まらないまま運用が始まります。

更新の担当と頻度の決め方

決めるのは担当者と頻度、そして見る数値です。

決める項目 現実的な置き方 未決のまま進めたときに起きること
担当者 問い合わせを受けている人が兼任 回答の追加が誰の仕事でもなくなる
頻度 月1回30分から始める 半年たってもログを開かない
見る数値 回答できなかった質問の上位5件 件数だけ見て内容を読まない
記録 変更した日と内容を1行残す どの変更が効いたか追えない

問い合わせを受けている人が担当すると、質問の背景が分かるため回答の精度が上がります。別部署に任せると、ログの文面だけから意図を推測することになります。

方針が未整備だと判断軸が揺れる

社内の方針が無いと、改善の判断もぶれます。次の3つを1枚に書いておきます。

  1. チャットボットで答える範囲を決める(目安1時間)。つまずきやすい点は、範囲を広く取りすぎることです。答えない範囲も明記します。
  2. 生成AIの回答をそのまま出すかを決める(目安1時間)。つまずきやすい点は、製品の初期設定のまま運用することです。誤回答時の扱いは別の記事で扱っています。
  3. 改善の判断に使う数値を1つに絞る(目安30分)。つまずきやすい点は、複数の指標を同時に追うことです。

当社のAIチャットボット導入では、業種別に応答を最適化し、24時間の一次対応を実現しています。時間外の一次対応まで任せる場合は、翌営業日に誰が引き継ぐかも体制に含めてください。御社で担当と頻度が未決であれば、無料診断(/diagnostic)で現状のログから着手順をお伝えできます。

減ったかどうかはどう測りますか?

電話とメールの件数を導入前と同じ条件で数えます。季節や繁忙期の影響を分けて見ることが前提です。

同じ条件とは、数える期間の長さ、対象の窓口、数え方の3点が揃っている状態です。1つでも変わると比較になりません。

比較に使う指標と期間

次の形で並べます。前年の同じ月を添えると、季節の影響を切り離せます。

比較の軸 数えるもの 揃える条件
導入前と導入後 電話とメールの件数 期間の日数と対象窓口
前年の同じ月 電話とメールの件数 営業日数の差を明記
チャットボット側 会話の開始件数と解決の割合 集計期間を上の軸と揃える

手順は次のとおりです。

  1. 導入前の件数を確認する(目安30分)。つまずきやすい点は、記録が残っていないことです。残っていない場合は、前年同月と比較する形に切り替えます。
  2. 営業日数の差を記録する(目安15分)。つまずきやすい点は、連休や臨時休業を考慮しないことです。件数の増減が日数の差で説明できる場合があります。
  3. 判断する時期を先に決める(目安15分)。つまずきやすい点は、良い数字が出た週だけを見ることです。期間を後から変えると結論も変わります。

実装の立場で付け加えると、問い合わせフォームからの件数も数えてください。電話が減ってフォームが増えた場合は、窓口が移っただけで総数は変わっていません。

自己解決率の数値を扱うときの注意

自己解決率の相場として示される数値は、出典を確認してください。提供事業者の導入事例や自社のコラムが出所の場合、調査の方法と母数が明らかでないことがあります。

当社では、他社の相場値ではなく自社のログで比較することをおすすめしています。同じ製品でも、設置場所と回答範囲によって数値は大きく変わります。判断に使うのは、同じ条件で数えた自社の前後の数値です。

提供事業者に依頼するのはどこからですか?

回答の追加は自社で行い、意図の判定や連携の変更は事業者に依頼する切り分けが現実的です。作業の性質が違うためです。

回答の追加は内容を知っている人のほうが速く、意図の判定の調整は製品の内部に関わるため事業者の作業になります。

自社でできる範囲と依頼する範囲

管理画面で完結するかどうかが境目です。

作業 担当 理由
回答の追加と文面の修正 自社 管理画面で完結し、内容を知る人が速い
表現の揺れの登録 自社 実際の問い合わせ文面が手元にある
意図の判定の調整 事業者 製品の内部の設定に関わる
外部システムとの連携 事業者 予約や在庫の参照には開発が必要
設置場所と表示条件の変更 制作会社または事業者 サイト側の実装に関わる

当社のAIチャットボット導入では、業種別に応答を最適化し、24時間の一次対応を実現しています。業種ごとの応答の最適化は初期の設計時に行う作業で、稼働後の回答の追加とは工程が分かれます。依頼の際は、どちらの作業を求めているかを明確にしてください。

保守契約に含まれているかの確認

依頼してから費用の話になると進みません。次の順で確認します。

  1. 契約書で保守の範囲を確認する(目安30分)。つまずきやすい点は、「保守」の中身が障害対応だけの場合です。回答の追加や調整が含まれるかを確認します。
  2. 月あたりの依頼可能な回数を確認する(目安15分)。つまずきやすい点は、回数の上限を把握せずに依頼を重ねることです。
  3. 追加費用の単位を確認する(目安15分)。つまずきやすい点は、作業時間あたりか依頼あたりかが曖昧な契約です。
  4. 依頼から反映までの日数を確認する(目安15分)。つまずきやすい点は、繁忙期に合わせた改善が間に合わないことです。

実装の立場で付け加えると、外部システムとの連携は見積もりが大きく変わる箇所です。参照するだけか、予約の確定まで行うかで必要な開発が変わります。依頼時はこの2つを分けて伝えてください。料金の目安は料金ページ(/pricing)でご確認いただけます。

よくあるご質問

この記事に関して多い質問と回答をまとめます。

チャットボットを入れたのに電話が減りません。設置場所を変えれば減りますか?

まず回答ログで会話の開始件数を確認してください。開始件数が少なければ設置場所と表示の条件が原因で、電話番号の近くに置く、営業時間外はチャットボットを前に出すといった変更が効きます。開始件数が多いのに電話が続く場合は、回答の粒度が足りていません。設置場所を変えても減りません。

回答できなかった質問はどこで確認できますか?

多くの製品では管理画面のログに、回答できなかった質問が一覧で残ります。確認するときは、言い回しの違う質問を別物として数えないでください。同じ意図はまとめて数えると、直す優先順位が見えます。集計期間の初期値が短い製品もあるため、期間を揃えて取り出してください。

回答の追加はどのくらいの頻度で行えばよいですか?

月1回30分から始めてください。頻度よりも、担当者が決まっていることのほうが続くかどうかを左右します。問い合わせを受けている人が兼任すると、質問の背景が分かるため回答の精度が上がります。変更した日と内容を1行残しておくと、どの変更が効いたかを後から追えます。

自己解決率は何パーセントあれば十分といえますか?

一律の基準を示せる出典は確認できていません。提供事業者の導入事例や自社のコラムで示される相場値は、調査の方法と母数が明らかでない場合があります。同じ製品でも設置場所と回答範囲によって数値は変わるため、判断に使うのは同じ条件で数えた自社の前後の数値です。

改善を提供事業者に頼むと追加費用がかかりますか?

契約内容によります。保守の範囲が障害対応だけの契約では、回答の追加や意図の判定の調整は追加費用になることがあります。依頼の前に、保守に含まれる作業、月あたりの依頼可能な回数、追加費用の単位、依頼から反映までの日数の4点を確認してください。回答の追加と表現の揺れの登録は、管理画面で自社で行える場合が多くあります。

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監修: 株式会社ノーティックラボ 代表(AIエンジニア)
本記事はAIを活用して制作しています

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