AI検索対策を外注するとき、最初に何を確認しますか?
最初に確認するのは、提案されている施策がGoogleの公式ドキュメントで必要とされている範囲かどうかの一点です。
AI検索対策という名前で提案される作業は、内容が会社ごとに大きく違います。Googleは「AI Features and Your Website」で、AIによる概要やAIモードに表示されるための条件はページがインデックスされスニペット付きで表示される資格があることだけで、それ以外の技術要件はないと記載しています(出典: Google検索セントラル「AI Features and Your Website」最終更新2025年12月10日 UTC)。まずこの線を引いてから見積書を読むと、どの作業に費用を払っているのかが分かります。
発注側が確認する3つの順番
順番を変えると判断がぶれます。次の順で確認してください。
- 提案内容を公式ドキュメントの要件と照らす(目安30分)。つまずきやすい点は、公式が不要としている施策を否定しないことです。有効な場合もあるため、必要か任意かを分けて聞きます。
- 自社ドメインに載る第三者のコンテンツを棚卸しする(目安1時間)。つまずきやすい点は、記事制作の外注先だけでなく、過去に貸したサブディレクトリも対象になることです。
- 誰が最終確認をするかを決める(目安30分)。つまずきやすい点は、契約書に作業範囲として書かないと、公開前の確認が誰の担当でもない状態になることです。
「AI検索対策」という言葉の中身を分解する
提案を3つに分けると、確認すべき相手が変わります。
| 提案の種類 | 中身の例 | 確認する相手 |
|---|---|---|
| 技術要件 | インデックスの可否、表示の制御 | 公式ドキュメントの記載 |
| コンテンツ制作 | 記事の執筆、生成AIの使用 | 契約書の作業範囲 |
| 計測 | 露出や流入の記録 | 着手前の記録の有無 |
実装の立場から補足すると、技術要件の多くは既に満たせている場合があります。既存サイトのrobots.txtとメタタグを先に見れば、追加作業が本当に必要かは着手前に判定できます。各項目の具体的な決め方は以降の見出しで扱います。
AI検索に載るためにGoogleが求めている条件は?
Googleはページがインデックスされスニペット付きで表示される資格があることを条件とし、それ以外の技術要件はないと明記しています。見積書を読むときは、この記載が判断の基準になります。
対象となるAI機能はAI OverviewsとAI Mode
Googleの「AI Features and Your Website」が対象として挙げているのは、AIによる概要(AI Overviews)とAIモード(AI Mode)です。AI Overviewsとは、検索結果の上部にAIが生成した要約が表示される機能です。
同ドキュメントは、ページに求められる条件をインデックス済みかつスニペット付きで表示される資格があることとし、追加の技術要件はないと記載しています(出典: Google検索セントラル「AI Features and Your Website」最終更新2025年12月10日 UTC)。
公式が推奨しているのは既存のSEOの基本
同ドキュメントが推奨として挙げているのは、次の項目です。いずれも従来のSEOと重なります。
| 推奨項目 | 内容 |
|---|---|
| クロールの許可 | robots.txtでクロールを妨げない |
| 内部リンク | コンテンツを見つけやすくする |
| ページエクスペリエンス | 表示や操作の品質を高める |
| テキストでの提供 | 画像内の文字に頼らない |
| 構造化データ | 記載内容を本文と一致させる |
追加の機械可読ファイルやマークアップは不要とも書かれています。表示の制御に使うメタタグは4種類が挙げられており、その使い分けは次の見出しで扱います。
追加のマークアップや専用ファイルの提案を受けたとき
提案を否定する必要はありません。必要と任意を分けて確認します。
- 公式要件か任意の施策かを質問する(目安15分)。つまずきやすい点は、「AI検索に必須です」という説明をそのまま受け取ることです。公式ドキュメントのどこに書かれているかを尋ねてください。
- 任意の施策の費用と期間を切り出す(目安30分)。つまずきやすい点は、必須作業と任意作業が1つの項目にまとめられ、金額の内訳が見えなくなることです。
実装の立場では、構造化データと本文の不一致が後から問題になりやすい箇所です。本文を更新したときに構造化データも直す運用になっているかを、納品前に確認してください。
引用させたくないページはどう指定しますか?
nosnippet、data-nosnippet、max-snippet、noindexのメタタグで制御でき、どのページのどの範囲に入れるかを発注時の仕様として決めます。Googleの「AI Features and Your Website」は、AI機能での表示を制御する手段としてこの4種類を挙げています(出典: Google検索セントラル「AI Features and Your Website」最終更新2025年12月10日 UTC)。
4種類のメタタグの使い分け
対象の範囲が異なります。目的に合わないものを選ぶと、意図しないページまで検索結果から消えます。
| 指定 | 対象の範囲 | 想定する使い道 |
|---|---|---|
| nosnippet | ページ全体 | 全文を要約に使わせたくないページ |
| data-nosnippet | ページ内の一部 | 価格表や会員向けの記述だけを除く場合 |
| max-snippet | 文字数の上限 | 引用される長さを抑えたい場合 |
| noindex | 検索結果そのもの | 検索結果に出す必要がないページ |
noindexは検索結果からページ自体が消えます。要約に使われたくないだけであれば、nosnippetかdata-nosnippetを選びます。
発注書に書く指定の例
対象ページの一覧を発注側が用意すると、作業の抜け漏れが減ります。
- 除外したいページと範囲を一覧にする(目安1時間)。つまずきやすい点は、ページ単位で考えてしまうことです。1ページの中の一部だけを除く場合はdata-nosnippetを使います。
- 指定の方法と対象URLを発注書に明記する(目安30分)。つまずきやすい点は、「AI検索に出さない」という曖昧な依頼文です。どのタグをどのURLに入れるかまで書きます。
- 納品後に実際のHTMLで確認する(目安30分)。つまずきやすい点は、CMSのテンプレート側で一括設定され、個別ページの指定が上書きされることです。
実装の立場で注意が必要なのは、noindexとnosnippetの混同です。一覧ページにnoindexを入れると、そこから辿るページの発見も遅くなる場合があります。除外の目的が要約の抑制であれば、noindexは選びません。
記事制作を外注するとき、生成AIの使用はどう取り決めますか?
生成AIを使うかどうかと、公開前のファクトチェックを誰が行うかを、作業範囲として契約に書き込みます。使用そのものを禁じる必要はありません。確認の担当が決まっていない状態を避けることが目的です。
Googleが求めている公開前の手動ファクトチェック
Googleは生成AIで作ったコンテンツについて、出力に不正確な内容が含まれる可能性があるため、公開前にすべてを手動でファクトチェックし見直すことが重要と記載しています(出典: Google検索セントラル「生成AIコンテンツの使用に関するガイダンス」最終更新2026年10月1日 UTC)。
つまり、生成AIの使用が問題なのではなく、人の確認を通さずに公開する運用が問題になります。
本文以外にメタデータも確認の対象になる
同ガイダンスは、見直しの対象にタイトル、メタディスクリプション、構造化データ、画像の代替テキストを含めています。本文だけを校正して納品される運用では、確認の範囲が足りません。
| 確認する箇所 | 見落としやすい理由 |
|---|---|
| タイトル | 記事末に追記した内容と食い違う |
| メタディスクリプション | 初稿のまま更新されない |
| 構造化データ | 本文の数値と別に管理される |
| 画像の代替テキスト | 画像差し替え時に残る |
作成方法の開示をどう扱うか
同ガイダンスは、コンテンツがどのように作成されたかを読者に共有すること、自動化を使った場合はその使い方の背景を読者にとって意味のある形で示すことを推奨しています。記載の有無と文面は、発注側が決める事項です。
取り決めは次の順で進めます。
- 生成AIの使用の可否と使う工程を確認する(目安30分)。つまずきやすい点は、「使っていません」という回答で終えることです。構成案や要約での使用まで含めて聞きます。
- ファクトチェックの担当と対象範囲を契約に書く(目安1時間)。つまずきやすい点は、本文だけを対象にしてしまうことです。上の表の4箇所を範囲に含めます。
- 開示の文面と掲載場所を決める(目安30分)。つまずきやすい点は、記事ごとに表記が揺れることです。雛形を1つ決めて共通化します。