結論:金額より「何が含まれるか」で判断する。含まれる範囲は会社ごとに全く違う

保守費用は、小規模サイトで月数千円〜1万円、中小企業サイトで月1〜5万円程度が一般的といわれます。ただし同じ月3万円でも、含まれる内容は会社によって全く異なります。金額だけを比べても意味がありません。

保守に含まれる内容の分類

保守契約は、大きく4つの要素で構成されます。

要素 内容 これが無いと
① 維持 サーバー・ドメイン・SSLの管理、稼働監視、バックアップ 期限切れでサイトが消える
② 保全 CMS・プラグインの更新、脆弱性対応 改ざん・情報漏洩のリスク
③ 更新代行 テキスト・画像の差し替え、お知らせ追加 自社で更新できないと放置される
④ 改善 アクセス解析レポート、改善提案、月次MTG 成果が上がらないまま年数が経つ

①②だけの契約が「保守」の最小構成です。③④が入ると費用が上がります。見積を比べるときは、この4分類のどこまでが入っているかを確認してください。

費用の目安

構成 含まれる内容 月額の目安
最小 ①のみ(サーバー管理・バックアップ) 3,000〜10,000円
標準 ①②+軽微な更新(月2〜3件程度) 10,000〜30,000円
更新代行込み ①②③(更新の件数上限あり) 30,000〜80,000円
改善伴走 ①②③④(月次レポート・MTGあり) 50,000〜200,000円

業務システムの保守は、これより高くなるのが通常です(月3〜15万円程度)。障害時の対応義務が伴うためです。

契約前に確認すべき7項目

① 更新代行の「1件」の定義

「月3件まで無料」の1件が何を指すかは会社ごとに違います。

  • テキスト1箇所の修正が1件か
  • 1ページ分の差し替えが1件か
  • 1回の依頼(複数箇所含む)が1件か

依頼の単位で数えるのか、作業箇所で数えるのかを必ず確認してください。

② 保守内と別見積の線引き

保守内になりやすい 別見積になりやすい
既存ページのテキスト・画像差し替え 新規ページの制作
お知らせの追加 デザインの変更
バナーの差し替え(素材支給) 素材の新規制作
軽微な不具合修正 機能追加

この線引きが契約書に書かれていない場合、依頼のたびに交渉が発生します。事前に一覧化を求めてください。

③ 対応時間と一次回答の目安

  • 受付窓口(メール、チャット、電話)
  • 対応時間帯(平日9-18時、など)
  • 一次回答までの目安(当社は営業日24時間以内としています)
  • 緊急時(サイトが落ちた場合)の連絡先と対応

④ バックアップの頻度と保持期間

「バックアップを取っています」だけでは不十分です。

  • どの頻度で取るか(日次・週次)
  • 何世代分保持するか
  • 復旧にどれくらいかかるか
  • 復旧テストを行っているか

取っているだけで戻せないバックアップは、無いのと同じです。

⑤ 解約条件と、その後どうなるか

  • 最低契約期間はあるか
  • 解約の通知はいつまでに必要か
  • 解約後、サイトのデータは受け取れるか
  • サーバー・ドメインの名義は誰か

ドメインが制作会社名義になっていると、解約時に移管でもめることがあります。契約時に必ず確認してください。

⑥ 保守を頼まない選択肢はあるか

「保守必須」の契約は、選択肢を狭めます。自社で更新でき、サーバーも自社契約なら、保守なしで運用することも可能です。ただしセキュリティ更新だけは誰かがやる必要があります

⑦ 報告の内容

月次レポートに何が載るかを確認してください。標準的には次の構成です。

  • 流入数・流入元の推移
  • よく見られたページ
  • 問い合わせ数と前月比
  • 検索キーワード
  • 改善提案

数字を並べるだけで提案がないレポートは、続けても成果につながりません。

保守費用を抑える方法

自社で更新できる範囲を広げる

CMSで更新できる箇所を増やしておけば、更新代行の依頼が減ります。制作時に「どこを自社で触れるようにするか」を決めておいてください。

更新をまとめる

都度依頼するより、月1回まとめて依頼するほうが単価が下がる契約が多くあります。

静的サイトにする

CMSを使わない構成なら、②(プラグイン更新)の負担がほぼなくなります。更新頻度が低いサイトでは、保守費用を大きく下げられます。ただし更新は制作会社への依頼になります。

よくある質問

Q. 保守契約は必須ですか?

法的な義務はありません。ただしCMSを使っている場合、更新を放置すると改ざんのリスクがあります。自社で更新作業ができないなら、契約したほうが安全です。

Q. 相場より高い気がします

含まれる内容を4分類で確認してください。①②だけで月5万円なら高いと言えますが、③④が入っているなら妥当な範囲です。

Q. 制作会社を変えたら保守も変わりますか?

変えられます。ただし、そのサイトの構造を理解する時間が新しい会社に必要です。ドキュメントとソースコードが揃っているかが移行のしやすさを決めます。

Q. 業務システムの保守は何が違いますか?

障害時に業務が止まるため、**対応時間の保証(SLA)**が重要になります。「何時間以内に復旧に着手するか」を契約に含めるかどうかで費用が変わります。

当社の考え方

Nortiq Labs では、保守の内容を上記4分類で明示してお見積りします。「一式」の提示はしません。 何にいくら払っているかが分からない契約は、続けるほど納得感が薄れるためです。

また、保守を必須条件にはしていません。自社で運用できる体制があるなら、その形をお勧めします。

現在の保守契約が適正かどうかの判断材料が欲しい場合は、契約内容を拝見した上で率直にお伝えします。他社との契約でも構いません。

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