結論:ウェブサイト関連費は上限30万円、しかも単独申請はできない
小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)の第20回では、ウェブサイト関連費に上限30万円(税込)が設定され、ウェブサイト関連費だけでの申請はできません。「補助金でホームページを作る」という発想のままでは申請が通りません。
一方で、これまであった「交付申請額の1/4まで」という比率の制限は撤廃されました。他の販路開拓の取り組みと組み合わせれば、以前より使いやすくなったというのが第20回の実態です。
※本記事は2026年8月時点の公募要領に基づきます。制度は変更されるため、申請前に必ず一次情報をご確認ください。
第20回の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限(通常) | 50万円 |
| インボイス特例 | +50万円 |
| 賃金引上げ特例 | +150万円 |
| 併用時の最大 | 250万円 |
| 補助率 | 2/3(一定の条件を満たす赤字事業者は3/4) |
| ウェブサイト関連費 | 上限30万円(税込)/単独申請不可 |
| 広報費 | 上限30万円(税込)/単独申請不可 |
| 申請受付 | 2026年11月5日〜12月15日 17:00 |
出典:中小企業庁「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>(第20回)」公募要領
「ウェブサイト関連費のみ不可」が意味すること
ここが第20回で最も誤解されやすい点です。
何がダメで、何ならいいのか
申請できない例
- ホームページのリニューアルだけを申請する
- ECサイトの構築だけを申請する
- LP制作だけを申請する
申請できる例
- 新商品の開発(機械装置費)+ その商品を紹介するページ制作(ウェブサイト関連費)
- 展示会出展(展示会等出展費)+ 出展に合わせた特設ページ(ウェブサイト関連費)
- 店舗改装(外注費)+ 改装後の集客サイト(ウェブサイト関連費)
つまり、販路開拓の本体となる取り組みが別にあり、ウェブはその一部という構成が求められます。
なぜこの制限があるか
持続化補助金は「販路開拓」を支援する制度です。ホームページを作ること自体が目的ではなく、それによって新しい顧客に届くことが支援対象という考え方です。
この趣旨を踏まえると、事業計画書には「サイトを作る」ではなく「誰に、どう届けて、どれだけ売上を増やすか」を書く必要があります。
対象になる経費・ならない経費
ウェブサイト関連費に含まれるもの
- ホームページ・ECサイトの制作、リニューアル
- 商品紹介動画の制作
- インターネット広告(※要件確認が必要)
- システム・アプリの開発
対象外になりやすいもの
| 経費 | 理由 |
|---|---|
| 汎用性の高いパソコン・タブレット | 事業以外にも使えるため |
| サーバー・ドメインの月額費用 | 継続的な運用費は対象外が原則 |
| 既存サイトの保守・更新のみ | 販路開拓の新規性が認められにくい |
| 補助事業期間外に支払ったもの | 交付決定前の発注・支払いは対象外 |
交付決定前に発注してはいけないという点は特に注意が必要です。「先に作り始めて、後から申請」は認められません。
申請の流れ
- 商工会・商工会議所へ相談(事業支援計画書「様式4」の発行が必須)
- 経営計画書・補助事業計画書の作成
- 見積書の取得(一定額以上は相見積もりが必要)
- 電子申請(jGrants)
- 審査 → 採択発表
- 交付決定 → ここから発注・実施
- 実績報告 → 補助金の請求・入金
見落としやすい2点
① 様式4の発行には時間がかかる
商工会・商工会議所の発行手続きには、締切間際は特に時間を要します。申請受付の1か月以上前から相談を始めてください。
② 補助金は後払い
採択されても、先に全額を自社で支払う必要があります。入金は事業完了・実績報告の後です。資金繰りの計画に入れておいてください。
採択率の実態
直近では、第18回の採択率が約47.5%と公表されています。申請すれば通る制度ではありません。
採択されやすい計画の特徴
| 観点 | 具体的に書くべきこと |
|---|---|
| 顧客像 | 「地域の方」ではなく「〇〇市の子育て世帯」など具体的に |
| 現状の課題 | 数字で示す(問い合わせ月◯件、商圏◯km など) |
| 取り組みの新規性 | 今までやっていなかったことか |
| 効果の見込み | 売上◯%増、新規客◯件など根拠つきで |
| 実現可能性 | 体制・スケジュールが具体的か |
「ホームページが古いので新しくしたい」だけでは通りません。新しくすることで、どの顧客に、どう届き、いくら売上が増えるかを書く必要があります。
当社にご依頼いただく場合の正直な条件
補助金の記事では見栄えのいいことだけが書かれがちなので、当社の条件を明示しておきます。
できること
- 補助金の要件に沿った見積書の作成(内訳を補助対象/対象外で明確に分ける)
- 事業計画に必要なWeb施策の内容整理(何を作ると、なぜ販路開拓につながるか)
- 交付決定後のスケジュールに合わせた制作進行
できないこと・注意点
- 申請代行は行っていません。 申請は事業者ご自身の手続きです(商工会・商工会議所や認定支援機関にご相談ください)
- 採択を保証することはできません。 審査は事務局が行います
- 当社は適格請求書発行事業者(インボイス)に未登録です。貴社の仕入税額控除に関わる場合、およびインボイス特例の要件に関わる場合は、事前にご確認ください
- 補助金の入金前に、当社への支払いが発生します
これらを踏まえた上でご相談いただければ、要件に沿った形でお手伝いできます。
よくある質問
Q. 小規模事業者の定義は?
業種によって異なります(商業・サービス業は常時使用する従業員5人以下、製造業その他は20人以下が目安)。詳細は公募要領をご確認ください。
Q. 他の補助金と併用できますか?
同一の経費に対する重複受給はできません。ただし、対象経費が異なれば別制度の利用は可能な場合があります。
Q. 30万円を超えるサイトは作れませんか?
作れます。補助対象になるのが30万円までというだけで、それを超える部分は自己負担で実施できます。
Q. デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)とどちらがいいですか?
作りたいものによります。パッケージ製品・SaaSの導入なら旧IT導入補助金系、自社の販路開拓に紐づくオリジナル制作なら持続化補助金が馴染みます。制度は年度で変わるため、その時点の公募要領で判断してください。
最後に
補助金は費用のハードルを下げる有効な手段ですが、制度に合わせて作るものを決めると、使われないサイトができます。
先に「誰に何を届けたいか」を決め、その手段としてサイトが必要なら補助金を使う。この順序を守るほうが、結果的に投資が回収できます。
制度の適用可否を含めてご相談いただければ、率直にお答えします。
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