AI生成記事のスパムアップデート対策は何から始めればよいですか
まず自社の記事が、生成AIを使ったこと自体ではなく、検索順位の操作を目的としているかどうかを、Googleの定義に沿って確認することから始めます。生成AIで記事を作っているという事実だけでは、対策が必要な対象にはなりません。
生成AIの利用そのものは違反にならない
Googleのスパムポリシーは、記事の作成方法ではなく作成目的を問題にしています。生成AIを使って御社の記事を量産していても、それだけで自動的にペナルティの対象になるわけではありません。判断の軸になるのは、読者の役に立つ内容を届けているか、それとも検索順位を操作するためにページ数を増やしているか、という点です。この線引きの具体的な内容は次の見出しで扱います。
確認にかかる時間の目安
自社の記事群を初めて棚卸しする場合、次の3点を順に確認します。
- 各記事が独自の検索意図に答えているか(1記事あたり5分程度)
- 同じ検索意図の記事が複数存在していないか(記事一覧全体で30分程度)
- 生成AIを使った旨を開示しているか(1記事あたり1分程度)
記事数が50本程度であれば、半日ほどで一次確認が完了します。ここで注意したいのは、剽窃チェッカーやAI検出ツールで「異常なし」と出たことを、そのままポリシー適合の証拠にしてしまう誤りです。これらのツールは文章の生成手法を判定するものであり、Googleが問題にしている「目的」を判定するものではありません。ツールの結果に安心して棚卸しを止めてしまうと、量に問題がなくても意図の面で見落としが残ります。
スケールコンテンツの不正使用とはどのような記事を指しますか
スケールコンテンツの不正使用とは、生成AIか人手かを問わず、検索順位の操作を主な目的として、読者に価値を提供しないページを大量に作成する行為を指します(出典: Google Search Central「Spam Policies for Google Web Search」)。作成の手段が生成AIか人力かは問われず、目的だけが判定基準になります。
違反にあたる具体例
Googleが違反の具体例として挙げているのは、次のような手法です。
- フィードや検索結果のスクレイピングによるページ生成
- 同義語変換や翻訳による自動生成(いわゆるリライト量産)
- 複数ページの内容を、価値を加えずに結合しただけのページ
これらはいずれも、読者の検索意図に新しく答えるのではなく、既存の情報を形だけ変えて件数を増やす手法です(出典: 同資料)。
対象外とされる正当な運用
一方で、読者に実用性があり内容が差別化されたプログラマティックSEO、ECカタログ、地域向けランディングページは、この規制の対象外とされています(出典: 同資料)。件数が多いこと自体は問題ではなく、各ページが独自の価値を持っているかどうかが分かれ目です。
なお、生成AIコンテンツに関するスパムポリシーと、第三者コンテンツを自社の評価に便乗させる「サイト評判の不正使用」は別のポリシーです。Googleは2024年11月にサイト評判の不正使用ポリシーを更新し、違反の判定には複数の要素を踏まえた総合判断を行うとしています(出典: Google Search Central Blog「Updating our site reputation abuse policy」)。Googleが2026年8月18日に展開を確認した2026年8月のスパムアップデートは、既存のスパムポリシーに違反しているサイトを対象としたものであり、このサイト評判の不正使用ポリシーを直接の対象にはしていません(出典: Google Search Central「Spam Policies for Google Web Search」)。対象範囲の詳細は次の見出しで扱います。
2026年8月のスパムアップデートは何を対象にしましたか
2026年8月のスパムアップデートは、既存のスパムポリシーに違反するサイトを対象とし、リンクスパムやサイト評判の不正使用ポリシーは直接の対象にしていません(出典: 前述のGoogle Search Central「Spam Policies for Google Web Search」)。前の見出しで触れたとおり、Googleは2026年8月18日に全言語・全世界での展開を確認しています。
このアップデートの対象を整理すると、次のようになります。
- 対象: 既存のスパムポリシー(スケールコンテンツの不正使用を含む)に違反しているサイト全体
- 対象外: リンクスパム対策とサイト評判の不正使用ポリシーは、このアップデートの直接の対象ではない
つまり、このアップデートは新しいルールを追加したものではなく、既存のルールへの違反を検出する仕組みの適用範囲を広げたものと理解できます。御社の記事が前の見出しで説明した基準(順位操作を目的としているか)に沿って作られているなら、このアップデート自体を理由に対策を変える必要はありません。
展開には数日かかる見込みとされているため、順位変動を確認する際は公開当日だけでなく、1週間程度の推移を見るようにします。確認すべきなのは、アップデートの有無にかかわらず、そもそもポリシーに沿っているかどうかです。具体的な確認手順は次の見出しで説明します。
自社の記事が対象にならないために確認すべき手順は何ですか
公開済みの記事を、目的、重複、価値提供の3点で棚卸しすることから始めます。前の見出しで説明した対象と対象外の基準に沿って、次の3手順で進めます。
- 手順1 目的と重複の棚卸し: 各記事の検索意図と、既存の他記事との重複を確認します(1記事あたり5分程度。記事数が多い場合はキーワードでグルーピングしてから確認すると時間を短縮できます)
- 手順2 自動化の開示を見直す: 生成AIを使ったことや、その理由を読者に開示しているかを確認します(1記事あたり1分程度。フッタや監修欄への記載漏れが起きやすい点に注意します)
- 手順3 人の確認ポイントを入れる: 公開前または公開後のどこかに、人が内容を確認する工程が入っているかを確認します(仕組みの見直しには半日から1日程度。次の見出しで具体例を紹介します)
つまずきやすいのは、手順1の重複の判定です。キーワードの文字列が違っていても、検索意図が同じ記事は読者にとって同じ問いに答える記事に見えます。文字列だけで重複を判定すると、意図の重複を見落とします。
3手順を終えた記事群は、少なくとも「検索順位の操作を目的にしていない」という説明ができる状態になります。次の見出しでは、この状態を一時的な棚卸しで終わらせず、仕組みとして維持する方法を扱います。