リニューアル後の運用体制づくりは何から始めるべきか
まず更新作業の頻度と難易度を洗い出し、社内で対応できる範囲と外部に任せるべき範囲を切り分けることから始めます。
具体的には、次の手順で進めます。
- 更新頻度の高い作業(ブログ更新、価格表の変更等)と、低い作業(デザイン変更、システム改修等)を洗い出す(所要時間の目安: 1時間程度)
- それぞれの作業を社内の誰が対応できるか、対応できる人がいないかを確認する(つまずきやすい点: 「誰かがやるだろう」で担当を曖昧にしたまま進めると、公開後に誰も更新しない状態になりやすい)
- 対応できない作業を、外部委託する範囲として整理する
この切り分けが必要な背景には、社内にシステム担当者を置けない中小企業が少なくない実態があります。株式会社kubellの調査によると、システム担当者が不在の中小企業の割合は全体で3割弱、従業員10から29人規模では約5割弱にのぼります。経済産業省「IT人材需給に関する調査」では、2030年に最大で約79万人のIT人材不足が生じると予測されています。
社内に専任の担当者を置きにくい状況は、今後さらに強まる可能性があります。更新担当を社内・外部のどちらに置くべきかの具体的な判断基準は、次の見出しで解説します。
更新担当を社内に置くべきか、外部に任せるべきか
社内に更新作業を継続的に担える人材がいない場合は、外部への保守委託を軸に検討するのが現実的です。
前の見出しで触れたとおり、システム担当者が不在の中小企業は全体で3割弱、従業員10から29人規模では約5割弱にのぼります(株式会社kubell調査)。中小企業庁「2024年版中小企業白書」でも、DXに取り組む際の課題として費用負担と人材不足が上位に挙げられています。
社内に置く場合の判断基準は、次の2点です。
- 更新頻度が高く(週1回以上)、担当者が業務時間内で対応できる見込みがある
- 担当者が異動・退職した場合に、引き継げる後任がいる
外部に任せる場合の判断基準は、次の2点です。
- 更新頻度は低いが、デザインやシステムに関わる変更で専門知識が必要になる
- 社内に専任者を置く採用・育成のコストをかける余裕がない
経済産業省「IT人材需給に関する調査」(平成31年4月公表)では、2030年に最大で約79万人のIT人材が不足すると推計されています。採用市場で大企業と競合する中小企業ほどこの影響を受けやすいため、社内での確保が難しい場合は早めに外部委託の選択肢を検討することをおすすめします。
保守契約の範囲を決める手順
更新作業の範囲、対応にかかる時間の目安、追加費用が発生する条件の3点を契約前に文書で確認します。
保守契約を結ぶ際は、次の手順で範囲を詰めます。
- 基本料金に含まれる更新作業の範囲(文言修正、画像差し替え等)を契約書または見積書に明記してもらう(所要時間の目安: 制作会社との打ち合わせ1回、30分から1時間程度)
- 大幅なデザイン変更や機能追加など基本料金に含まれない作業の範囲と、その場合の追加費用の目安を確認する(つまずきやすい点: 契約時点で対応範囲が曖昧なまま進めると、後から依頼した作業が「契約範囲外」とみなされ追加料金を請求されることがある)
- 自社で準備できる素材(文章、写真等)を洗い出し、該当項目を見積もりから外してもらえないか事前に相談する
契約範囲が曖昧なまま進めると、契約時点の要望と進行中に追加で出てきた要望を区別できず、当初の見積もりを超える費用がかさみやすくなります。文章の執筆やプロによる撮影を制作会社に別途依頼すると追加費用が発生するため、自社で対応できる部分は事前に伝えておくと有効です。
補助金を前提に保守・更新の予算を組む場合も注意が必要です。中小企業庁「IT導入補助金2024」の公募要領によると、通常枠の対象は会計ソフトや顧客管理システムなどのITツールであり、ホームページの制作費・デザイン費・コーディング費は補助対象に含まれていません。保守契約の費用も、補助金で賄える前提で予算を組まないよう確認してください。