技術2026.09.14·5 min read·Nortiq Labs

システム開発外注|準委任と請負の違い・選び方

準委任契約と請負契約の法的な違いは何ですか

請負は成果物の完成を約束する契約です。準委任は業務の遂行、または成果完成を約束する契約です。受注者が負う責任の範囲がここで大きく変わります。

システム開発の契約形態を考えるうえで、経済産業省が策定した「情報システム・モデル取引・契約書」は重要な参照先です。このひな形の初版は2007年に公開されました。出典: IPA「情報システム・モデル取引・契約書(第二版)」(2020年12月公開)。

同モデル契約書では、外部設計から納品後の運用テストまでの上流工程について、受注者に完成義務がある請負ではなく、御社側が主体となる準委任型の契約が採用されています。要件を発注者と受注者が一緒に固めていく工程だからです。

その後IPAが2019年5月から2020年12月にかけて全面的な見直しを行い、第二版を公開しました。上流工程を準委任で進めるという基本方針自体は、この見直しでも維持されています。

請負契約の特徴と契約不適合責任

請負契約は成果物の完成が契約の目的です。完成した成果物に不備があれば、受注者は修補や損害賠償などの責任を負います。この責任を契約不適合責任と呼びます。

請負契約では検収基準を契約書に明記しておくことが欠かせません。何をもって完成とみなすかが曖昧だと、検収の場面でトラブルになりやすいためです。

準委任契約の履行割合型と成果完成型

準委任契約には2つの類型があります。従来からある履行割合型と、比較的新しい成果完成型です。

履行割合型は、労働力や稼働時間の提供そのものが報酬の対象になる契約です。業務を遂行してさえいれば、成果物が完成しなくても報酬が発生します。

成果完成型は、2020年4月1日に施行された改正民法で新設された類型です。出典:「準委任契約の成果完成型とは、履行割合型や請負契約との違いを解説」。成果完成型は請負と同様に成果物の完成が契約の目的になり、契約不適合責任も負います。

成果完成型で成果物に不備があった場合、御社は不適合を知った時から1年以内に受注者へ通知することで、修補請求や報酬減額請求、損害賠償請求ができます。出典:「準委任契約に契約不適合責任は適用されるか、民法改正による補償への影響を解説」。履行割合型の準委任には、この契約不適合責任は適用されません。

契約書に準委任と書かれていても、どちらの類型かまでは明記されていないことがあります。御社の案件でどちらが適用されるか、契約書の条文で確認することをおすすめします。

契約形態はどちらを選ぶかは何で決まりますか

開発会社の都合ではなく、発注時点で要件がどれだけ固まっているかが契約形態を選ぶ最大の判断基準です。要件の確定度によって、向いている契約形態は変わります。

要件定義とは、システムに実装する機能や仕様を発注者と受注者が共同で整理し、文書化する上流工程です。IPAは2019年3月に、中小企業の担当者でも進め方を追える「ストーリーで学ぶ要件定義実践入門」を公開しています。出典: IPA「ストーリーで学ぶ要件定義実践入門」(2019年3月公開)。要件定義を発注者と受注者が共同で行う工程と位置づけている点は、契約形態の選び方にも直結します。

なお、RFP(提案依頼書)と要件定義書は役割が異なります。RFPは複数のベンダに同一条件で提案を求めるためベンダ選定前に作る文書で、要件定義書はベンダ選定後に協議しながら詳細化する文書です。RFPの書き方は別記事で詳しく解説しています。

要件が確定している場合は請負が選ばれやすい

実装すべき機能や仕様がすでに固まっている案件は、成果物の完成を約束できるため請負契約が選ばれやすくなります。検収基準も事前に定めやすくなります。

アジャイル開発など仕様変更が前提の場合は準委任が実態に合う

初めての外注で要件を一緒に固めたい場合や、開発しながら仕様を見直すアジャイル開発を採用する場合は、仕事の完成を前提としない準委任契約の方が実態に合います。

システム開発の外注では、要件の曖昧さに起因する仕様変更の多発、ベンダへの丸投げによる進捗の不可視化、検収基準の未合意による納品後トラブルが典型的な失敗パターンとして指摘されています。上流工程での認識合わせが不足すると、後工程での手戻りコストが膨らみやすいためです。契約形態を選ぶ前に、まず御社の要件がどこまで固まっているかを棚卸しすることが欠かせません。

準委任契約と請負契約を4つの軸で比較するとどうなりますか

費用の決まり方、成果物への品質保証、発注側の運用負荷、向く企業規模の4軸で見ると、両者の得意分野がはっきり分かれます。契約前にこの4点を確認しておくと、後々のミスマッチを防げます。

比較軸 請負契約 準委任契約(履行割合型)
費用の決まり方 成果物に対する固定額が基本 稼働時間や人月単価に応じた変動額が基本
品質保証 契約不適合責任があり、未完成なら報酬が発生しない 業務遂行が対象のため、成果物の完成自体は保証されない
運用負荷 要件を事前に固める負荷は大きいが、進行中の管理負荷は比較的軽い 仕様変更に対応しやすい一方、発注側にも進捗確認や意思決定への継続的な関与が求められる
向く企業規模 要件定義の経験があり、仕様を確定できる体制の企業 初めての外注や、要件を一緒に固めながら進めたい企業

なお、成果完成型の準委任は請負に近い性質を持ち、費用は変動制のまま成果物に契約不適合責任を負わせられます。契約書でどちらの類型が採用されているかを確認することが欠かせません。

費用面だけを見ると請負の方が予算管理はしやすく見えますが、要件が固まっていない段階で無理に請負契約を結ぶと、追加要望のたびに追加費用や契約変更が発生し、結果的に総費用が膨らむこともあります。逆に準委任は稼働に応じた費用のため、進捗管理を怠ると想定より稼働が延びるリスクがあります。

自社はどちらの契約形態が向いていますか

要件定義を終えて仕様が固まっている企業は請負、初めての外注で要件を一緒に固めたい企業は準委任が向いています。自社の状況を次の3ケースに当てはめて確認してください。

要件定義が完了しているケース

実装する機能、画面、データ項目まで仕様書に落とし込めている場合は、請負契約が向いています。完成の基準を契約時点で合意できるためです。

初めてシステムを外注するケース

システム開発の外注が初めてで、何を要件として固めればよいか分からない場合は、準委任契約で開発会社と一緒に要件定義から進める方法が向いています。仕様が固まる前に請負契約を結ぶと、後から追加費用が発生しやすくなります。

既存システムを段階的に改善したいケース

すでに稼働しているシステムを少しずつ改善していきたい場合も、その都度完成物を定義しにくいため準委任契約が実態に合います。優先順位を変えながら開発を進めやすくなります。

いずれのケースでも、契約形態を決める前に自社の要件がどこまで言語化できているかを確認することが出発点になります。判断に迷う場合の相談先は後述します。

契約時に確認しておくべき注意点は何ですか

契約書に契約形態を明記したうえで、契約不適合責任の通知期限や検収の基準を事前にすり合わせておくことが重要です。契約書を交わす前に、次の項目を確認してください。

  1. 契約書に「準委任」か「請負」かを明記しているか。準委任の場合は履行割合型か成果完成型かも確認する
  2. 検収基準、つまり何をもって完成とみなすかが具体的に書かれているか
  3. 契約不適合責任の通知期限が明記されているか。前述のとおり成果完成型では不適合を知った時から1年以内が目安となる
  4. 成果物の知的財産権の帰属先が明記されているか
  5. 仕様追加や契約形態の変更が発生した場合の手続きが決められているか

これらが曖昧なまま契約を締結すると、開発が進んだ後に「言った、言わない」の争いになりやすくなります。特に検収基準は、機能一覧やテスト項目まで落とし込んで書面化しておくことをおすすめします。

契約形態で迷ったときの相談先

自社だけで判断がつかない場合は、要件定義の段階から相談できる開発会社に契約形態ごとのメリット・デメリットを確認するのが近道です。

準委任か請負かで迷う背景には、多くの場合「そもそも何を実現したいかがまだ言葉になっていない」という課題があります。要件が曖昧なまま契約書だけを整えても、後工程での認識違いは防げません。

システム開発の外注そのものが久しぶり、あるいは初めてという場合は、要件定義から伴走できる開発会社に相談するのが現実的な解決策です。要件を一緒に言語化しながら進められれば、契約形態を選ぶ判断材料も自然と揃います。

当社(株式会社ノーティックラボ)の場合、DXコンサル・システム開発をPoC(技術検証)50万円〜(税別)でご相談いただけます。要件定義の段階から関わり、御社の状況に応じて準委任・請負のどちらが適しているかも含めてご提案しています。まずは現状を整理したい方は、無料診断からお申し込みください。

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監修: 株式会社ノーティックラボ 代表(AIエンジニア)
本記事はAIを活用して制作しています

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