レビュー構造化データ対応は何から始めるべきか
まず自社サイトの「お客様の声」やレビュー欄が、実際の体験に基づかないレビューやインセンティブを非開示のまま含んでいないかを棚卸しすることから始めます。
具体的には、次の3ステップで確認します。
- 掲載しているレビューや「お客様の声」を洗い出す(所要時間の目安: サイト規模により30分から1時間)
- 各レビューが実際の利用者によるものか、金銭や割引と引き換えに書かれたものではないかを確認する(つまずきやすい点: 古いレビューほど収集経緯の記録が残っておらず、判断に時間がかかる)
- 他社サイトのクチコミを自社の評価に集計していないかを確認する(つまずきやすい点: 口コミ収集サービスを利用している場合、集計元が他サイトのデータを含んでいることに気づきにくい)
この棚卸しの結果、対応が必要な項目が見つかった場合の具体的な直し方は、後の見出しで解説します。
Googleのレビュー構造化データガイドラインで何が禁止されたか
Google検索セントラルの公式ドキュメントには、実際に体験していないレビューや、金銭・割引と引き換えに書かれたにもかかわらず開示していないレビューを構造化データに含めてはいけないと明記されています。
具体的に禁止されているのは、次の3つです。
- 実際に商品やサービスを体験していない人が書いたレビュー
- 金銭や割引などの利益と引き換えに書かれたにもかかわらず、その旨を開示していないレビュー(インセンティブ非開示レビュー)
- 他のWebサイトに投稿されたクチコミを、自社サイトの集計評価に含めること
この改定について、国内の著名なSEO専門家である鈴木謙一氏が、Googleが偽レビューおよびインセンティブ非開示レビューの禁止を明記するガイドライン改定を行ったことを解説しています。ガイドライン違反が見つかった場合、Googleのアルゴリズムはマークアップを無視し、リッチリザルトを表示せずテキストのみのスニペットになる可能性が高いと説明されています。
なお、日本国内でも令和5年10月1日に、景品表示法に基づくステルスマーケティング規制(令和5年内閣府告示第19号)が施行されており、レビューの開示に関する国内の法制度も別途存在します。詳しくは後の見出しで解説します。
自社サイトのレビュー表示をチェックする手順
レビューの収集方法、インセンティブの開示状況、他サイトのクチコミの流用の有無という3点を順に確認します。
- サイトのソースコードまたはGoogleの「リッチリザルトテスト」で、レビューのJSON-LD構造化データ(schema.orgのReviewやAggregateRating)を確認する(所要時間の目安: 1ページあたり10分程度)
- 表示しているレビューについて、収集時にインセンティブ(割引、金銭、プレゼント等)を提供していないかを、社内の記録や担当者への聞き取りで確認する(つまずきやすい点: 過去に外部の口コミ収集代行サービスを使っていた場合、収集条件の記録が自社に残っていないことがある)
- AggregateRatingの評価件数や平均値が、自社サイト以外の口コミサイトの数値を含んでいないかを確認する(つまずきやすい点: 複数店舗・複数サービスの口コミを一括管理するツールを使っている場合、集計元に他サイトのデータが混在していることに気づきにくい)
実装者視点の注意点として、Googleの「リッチリザルトテスト」はマークアップの構文エラーは検出しますが、レビューの内容がガイドライン違反かどうかまでは判定しません。構文が正しくても内容面で違反していることはあるため、ツールの結果だけで安全と判断しないよう注意してください。
なお、この確認作業は令和5年10月1日に施行された景品表示法のステルスマーケティング規制(令和5年内閣府告示第19号)の観点からも有効です。この規制は消費者庁が指定告示したもので、SNS投稿やレビュー投稿も対象に含まれます。
違反が見つかった場合の対応方法
該当するレビューを構造化データのマークアップから除外するか、インセンティブの提供を明記したうえで表示を続けるかのいずれかで対応します。
見つかった違反の種類ごとに、次のように対応します。
- 実際に体験していない人が書いたレビューは、構造化データのマークアップおよびページの表示自体から削除する(所要時間の目安: 削除対象の特定と作業で1件あたり数分程度)
- インセンティブを提供して集めたレビューは、削除するか、レビュー本文またはその近くに提供の事実を明記したうえで表示を続ける(つまずきやすい点: 「モニター」「提供品あり」といった表記だけでは開示として不十分な場合があるため、何を対価に提供したかまで分かる書き方にする)
- 他サイトのクチコミを含めていたAggregateRatingは、自社サイトで実際に収集した評価のみで再集計する(つまずきやすい点: 再集計により評価件数や平均値が変わるため、表示中の星の数やレビュー件数の見た目が変化することを事前に関係者へ共有しておく)
修正後は、Googleの「リッチリザルトテスト」で構造化データの構文エラーが無いことを再確認してください。ただし、構文が正しいことと、内容がガイドラインに適合していることは別の確認事項です。