AI活用2026.09.22·5 min read·Nortiq Labs

日本の生成AI個人利用率が低い理由|国際比較データ

日本の生成AI個人利用率は、世界と比べてどのくらい低いか

日本の生成AI個人利用経験率は他の主要国と比べて低い水準にとどまっており、米国・中国・ドイツとの差は数値で見ると明確です。

生成AI個人利用経験率とは、個人が業務や日常生活で生成AIを実際に使った経験があると回答した割合のことです。総務省「令和7年版情報通信白書」によると、日本の個人の生成AI利用経験率は26.7%です(出典: 総務省「令和7年版情報通信白書|個人におけるAI利用の現状」)。これは2024年度の数値で、前年の9.1%から約3倍に増加しています。

この26.7%という水準は、他の主要国と並べると際立って低くなります。

国 個人の生成AI利用経験率
日本 26.7%
米国 68.8%
ドイツ 59.2%
中国 81.2%

(出典: 総務省「令和7年版情報通信白書|個人におけるAI利用の現状」)

日本は前年から利用経験率を大きく伸ばしているものの、絶対水準では米国・ドイツ・中国のいずれとも大きな開きがあります。中国とは3倍以上、米国とも2.5倍以上の差があり、伸び率の勢いだけでは埋まらない差であることが分かります。この差がなぜ生まれるのかは、日本企業側の生成AI活用状況と合わせて見ると理解しやすくなります。詳しくは次の見出しで説明します。

日本企業の生成AI活用状況はどうなっているか

個人の利用率が低い背景には、日本企業自体の生成AI活用や活用方針の策定がまだ発展途上にあるという実態があります。

総務省「令和7年版情報通信白書」によると、日本企業のうち業務で生成AIを利用していると回答した割合は55.2%です(出典: 総務省「令和7年版情報通信白書」企業におけるAI利用の現状)。半数近くの企業が既に何らかの形で生成AIを業務に取り入れていることになります。

一方で、生成AIの活用方針を定めている企業の割合は49.7%にとどまります。前年の令和6年調査の42.7%からは増加していますが、実際に使い始めている企業の割合(55.2%)よりも、方針として整理できている企業の割合(49.7%)のほうが少ないという状態です。個々の従業員が試行的に使い始めている一方で、組織としての方針整理が追いついていない企業が一定数あることがうかがえます。

なお、この活用方針の策定率は企業規模によって大きな差があります。大企業では約56%であるのに対し、中小企業では約34%にとどまっています。企業規模による差の詳細は、次の見出しで説明します。

企業規模によって生成AI活用率に差はあるか

生成AI活用方針の策定率は、大企業と中小企業の間でも差が見られます。

前述のとおり、総務省「令和7年版情報通信白書」では活用方針の策定率が大企業約56%、中小企業約34%と示されています(出典: 総務省「令和7年版情報通信白書」企業におけるAI利用の現状)。規模間の差は約22ポイントです。

業界調査ではこの差がさらに大きな数値で表れています。

従業員規模 生成AIを全社的に活用している割合
300人未満 1.3%
5000人以上 19.0%

(出典: 日経クロステック「生成AI活用の『格差』深刻に、大企業と中小企業で15倍の違い」)

「全社的に活用している」という踏み込んだ活用段階で見ると、300人未満の企業はわずか1.3%にとどまり、5000人以上の企業の19.0%との差は約15倍に広がります。方針の策定段階では約1.6倍の差だったものが、全社展開の段階では約15倍まで開くことになります。

大企業側の動きも活発です。東京商工リサーチの調査によれば、大企業の約6割が組織として生成AIの活用を推進していると回答しており、将来的な人員配置の見直しを検討していると答えた企業も53.4%に上ります(出典: 東京商工リサーチ「『生成AI』大企業の約6割が組織で活用推進」)。大企業が組織的な活用を進める一方で、中小企業側は方針策定の段階からつまずいているケースが多いことがうかがえます。

この国際比較データから中小企業は何を読み取るべきか

個人レベルでも企業レベルでも日本の生成AI活用は世界水準に達しておらず、中小企業にとってはむしろ今から取り組む余地が大きいことを意味します。

なお、生成AIの利用率を示す数値は、調査の質問設計によって幅があります。同じ総務省「令和7年版情報通信白書」の中でも、国内企業の生成AI利用率を13.4%とする集計が示されている箇所があります(出典: 総務省「令和7年版情報通信白書」企業におけるAI利用の現状)。前述の55.2%が「業務で生成AIを利用していると回答した割合」であるのに対し、13.4%は集計方法や質問の粒度が異なる数値です。数値を引用する際は、どの質問に基づく割合なのかを確認することが欠かせません。

いずれの集計を見ても、日本の生成AI活用は個人・企業のどちらのレベルでも、他の主要国や大企業の水準には届いていません。この記事の要点を整理すると、次のとおりです。

  • 個人の生成AI利用経験率は日本26.7%、米国68.8%、中国81.2%、ドイツ59.2%で、日本が最も低い
  • 日本企業の活用方針策定率は大企業約56%、中小企業約34%と、企業規模による差がある
  • 全社的な活用段階まで進んでいる企業は、300人未満で1.3%、5000人以上で19.0%と、規模が大きいほど進んでいる

裏を返せば、中小企業の生成AI活用はまだ「これから」の段階にある企業が大半であり、先行企業との差は今の時点ではまだ致命的な水準ではありません。何から着手するかによって、今後の差の広がり方が変わってきます。

生成AI活用の遅れは、中小企業にどんな影響を与えるか

活用が遅れるほど、業務効率化や採用力の面で先行して取り組む企業との差が広がりやすくなります。

前述のとおり、生成AIの活用は方針策定の段階から全社展開の段階に進むにつれて、企業規模による差が拡大していく傾向があります。この構図は、後から追いつこうとするほど差を埋めるコストが大きくなりやすいことを示唆しています。

業務効率化の面では、定型的な文書作成や問い合わせ対応、情報整理といった作業を生成AIに任せられる企業ほど、限られた人員でより多くの業務を回せるようになります。中小企業は大企業に比べて一人あたりの業務範囲が広い傾向があるため、こうした効率化の効果は相対的に大きくなりやすい領域です。

採用力の面でも影響が及びます。生成AIを含むデジタルツールの活用状況は、求職者が働きやすさや将来性を判断する材料の一つになりつつあります。活用が遅れている状態が続くと、人材確保の面でも不利になりやすくなります。

ただし、活用が遅れていること自体は、直ちに致命的な差につながるわけではありません。前述のとおり中小企業の多くがまだ着手前後の段階にあるため、今から取り組めば大きな遅れを取り戻せる余地は十分にあります。何から着手すべきかは、次の見出しで説明します。

生成AI活用に不安がある場合はどうすればよいか

何から手をつければよいか分からない場合は、業務の棚卸しから活用範囲の整理まで実装者が伴走する外部支援を活用する方法があります。

ここまで見てきたように、日本の生成AI活用は個人・企業のどちらのレベルでも国際的に見て発展途上にあります。裏を返せば、多くの中小企業がまだ同じ出発点に立っている状態であり、闇雲にツールを導入するよりも、自社のどの業務に生成AIが向いているかを見極めることが最初の一歩になります。

御社がこうした見極めに不安を抱えている場合、業務の棚卸しから活用範囲の整理、実際の実装までを実装者自身が伴走する形で支援を受けるという選択肢があります。当社ノーティックラボでは、代表がRAGやFine-tuning、Computer Visionといった開発を自ら実装するAIエンジニアであり、コンサルやライターではなく実装者の視点から、御社の業務に合った活用範囲を一緒に整理しています。

生成AI活用の進め方については、DXガイドブックでも整理していますので、あわせてご参照ください。何から始めればよいか具体的に相談したい場合は、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。

よくあるご質問

この記事に関して多い質問と回答をまとめます。

個人の生成AI利用率と企業の生成AI活用率は同じ調査ですか

いいえ、別の調査です。個人の利用経験率(日本26.7%)は個人利用に関する国際調査、企業の業務利用率(55.2%)や活用方針策定率(49.7%)は企業向けの国内調査に基づいています。調査対象や質問設計が異なるため、数値を単純に足し合わせたり比較したりすることはできません。

日本の生成AI活用率が低い理由は規制が厳しいからですか

今回取り上げた統計だけでは、規制の有無が主因かどうかは判断できません。むしろ本文で見たとおり、企業の活用方針策定率が49.7%にとどまっている点から、社内の体制整備や方針づくりが追いついていないことが要因の一つとして考えられます。

中小企業はどこから生成AI活用を始めればよいですか

まずは自社のどの業務に生成AIが向いているかを見極めることから始めるのが基本です。定型的な文書作成や問い合わせ対応など、業務の棚卸しをしたうえで、影響の大きい業務から優先的に検討する進め方が現実的です。

大企業と中小企業の活用率の差は縮まっていますか

本文で紹介したとおり、活用方針策定率の差は22ポイントですが、全社的な活用率で見ると300人未満の企業が1.3%、5000人以上の企業が19.0%と差はむしろ拡大しています。現時点では縮小の傾向は確認できません。

この統計はどのくらいの頻度で更新されますか

個人利用率、企業活用率とも、それぞれの調査元が年次または半期ごとに実施しているものを基にしています。最新の数値は各調査元の公表資料で随時更新されるため、活用検討の際は最新版もあわせてご確認ください。

関連リンク

監修: 株式会社ノーティックラボ 代表(AIエンジニア)
本記事はAIを活用して制作しています

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