バックボタンハイジャック対策は何から始めるべきか
まず自社サイトに、訪問者がブラウザの「戻る」ボタンを押した際の動作を書き換えたり妨げたりする実装が無いかを確認することから始めます。
具体的には、次の手順で進めます。
- 自社サイトの主要ページで、実際にブラウザの「戻る」ボタンを押して前のページに正しく戻れるかを確認する(所要時間の目安: 主要ページ5から10ページで30分程度)
- 離脱時にポップアップや別ページへの転送が発生していないかを確認する(つまずきやすい点: 広告配信タグや離脱防止のマーケティングツールを外部委託先が組み込んでいる場合、自社で把握していない実装が原因になっていることがある)
- 該当する実装が見つかった場合の対応は、後の見出しで解説します
こうした確認は専門的な知識が無くても、手元のブラウザだけで行えます。特にランディングページや広告経由の流入ページは、離脱率を下げるための実装が意図せずポリシー違反になっていることがあるため、優先的に確認してください。次の見出しでは、どのような実装が「バックボタンハイジャック」に該当するのかを具体的に説明します。
バックボタンハイジャックとは何か
訪問者がブラウザの「戻る」ボタンを押しても前のページに戻れないようにしたり、意図しない別のページへ転送したりする実装を指します。
具体的には、次のような実装が該当します。
- ブラウザの履歴を操作し、「戻る」ボタンを押しても現在のページに留まらせる、または別のページに遷移させる
- 離脱しようとした瞬間に、意図しない広告ページや別サイトへ強制的に転送する
- 「戻る」ボタンの動作を無効化し、専用の「戻る」リンクの利用を強制する
これらはいずれも、ユーザーが自分の意図で前の画面に戻るという基本的な操作を妨げる点で共通しています。Googleは、検索結果からアクセスしたページで想定と異なる体験を強いる行為を、ユーザーの不利益につながるスパムとして位置づけています。
なお、シングルページアプリケーション(SPA)における通常の画面遷移や、フォーム送信後の確認画面表示など、操作性を損なわない一般的な実装まで規制対象になるわけではありません。次の見出しでは、自社サイトが実際に該当する実装をしていないかを確認する手順を解説します。
自社サイトが該当する実装をしていないか確認する手順
主要ページでブラウザの「戻る」操作を実際に試し、履歴の書き換えや強制的なリダイレクトが起きていないかを確認します。
具体的には、次の手順で確認します。
- 検索結果やSNSなど、実際の流入経路を再現してページにアクセスし、ブラウザの「戻る」ボタンを押して直前のページに戻れるかを確認する(所要時間の目安: 主要な流入ページ5ページ程度で30分)
- ページのソースコードで、history.pushStateやpopstateイベント、beforeunloadイベントを使って戻る操作に介入するスクリプトが無いかを検索する(つまずきやすい点: 自社で開発していないタグマネージャ経由の広告・計測タグの中に離脱防止スクリプトが紛れていることがあり、ページのソースだけでは気づきにくい)
- モバイル端末とパソコンの両方で確認する(つまずきやすい点: モバイルブラウザ独自の挙動でのみ発生する実装もあるため、パソコンだけの確認では見落とすことがある)
これらの確認は、開発担当者だけでなくマーケティング担当者が導入した広告タグやアクセス解析ツールの設定も対象に含めてください。該当する実装が見つかった場合の対応方法は、次の見出しで解説します。
該当する実装が見つかった場合の対応方法
ブラウザ履歴を操作するスクリプトや、離脱防止のためのポップアップ表示・強制リダイレクトの実装を取り除きます。
見つかった実装の種類ごとに、次のように対応します。
- history.pushStateやpopstateイベントを使って戻る操作を書き換えているスクリプトを削除する(所要時間の目安: 実装箇所の特定に数時間、修正自体は数十分程度)
- 離脱時に強制的に表示される広告ポップアップやリダイレクトタグを、配信元の広告・計測ツールの管理画面から無効化する(つまずきやすい点: 自社で直接編集していないタグマネージャ経由の設定は、契約している代理店や制作会社に依頼しないと変更できないことがある)
- 修正後、複数のブラウザと端末で「戻る」操作が正常に機能することを再確認する
離脱防止の実装は、コンバージョン率の改善を目的に外部の広告代理店や制作会社が提案・実装しているケースも少なくありません。自社サイトの実装を直接把握していない場合は、委託先に「戻るボタンの動作に影響する実装があるか」を確認することから始めてください。
クローキングや誘導ページなど他のスパムポリシーとの違い
バックボタンハイジャックは離脱操作そのものを妨げる実装を対象にしており、表示内容を偽装するクローキングや誘導ページとは規制対象が異なります。
主なスパムポリシーとの違いは、次のとおりです。
| ポリシー |
規制対象 |
| バックボタンハイジャック |
ブラウザの「戻る」操作を妨げる、または意図しないページへ転送する実装 |
| クローキング |
検索エンジンとユーザーに異なる内容を表示する実装 |
| 誘導ページ(ドアウェイページ) |
特定のキーワードで上位表示させるためだけに量産された、実質的な独自コンテンツの薄いページ |
| 生成AIコンテンツの悪用 |
検索順位の操作を主目的に、大量の低品質なコンテンツを生成AIで作成する行為 |
これらは別々のポリシーとして定義されていますが、いずれもユーザーが検索結果から期待する体験を裏切る行為という点で共通しています。自社サイトを点検する際は、バックボタンハイジャックだけでなく他のスパムポリシーへの抵触も合わせて確認しておくと安心です。
よくあるご質問
この記事に関して多い質問と回答をまとめます。
バックボタンハイジャックはどのような実装が該当しますか
ブラウザの履歴を書き換えて「戻る」ボタンを無効化する実装や、離脱時に別のページへ強制的に転送する実装が該当します。詳しくはこの記事の該当する見出しで解説しています。
広告のポップアップ表示と戻るボタンの動作は関係ありますか
関係します。離脱しようとした瞬間に広告や別サイトへ強制的に転送する実装は、バックボタンハイジャックに該当する可能性があります。
このポリシーはいつから適用されていますか
Googleがスパムポリシーとして明文化した時期は公式発表を確認する必要があり、この記事では具体的な適用開始時期は扱っていません。最新の情報はGoogle検索セントラルの公式ドキュメントで確認してください。
違反するとどうなりますか
Googleのスパムに関するポリシー全般では、該当するページや行為に対して手動対策が講じられ、検索結果での掲載順位が下がったり、掲載自体が除外されたりする可能性があります。
クローキング(cloaking)や誘導ページとの違いは何ですか
クローキングは検索エンジンとユーザーに異なる内容を表示する行為、誘導ページはキーワード対策のためだけに量産された内容の薄いページを指します。バックボタンハイジャックは、これらとは異なり戻る操作そのものを妨げる実装を対象にしています。
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